ケーブル端末処理とは?作業手順と注意点を解説

皆さんこんにちは。

愛媛県西条市を拠点に、四国を中心に発電所や変電所での電気工事をはじめ、電線・ケーブルの敷設、配線工事、照明設備工事、さらにメンテナンスまで幅広く手掛けている株式会社村上電気工業所です。


ケーブルの先端をどう処理すれば安全なのか、現場で迷った経験はありませんか?「高圧ケーブルの端末処理って特別な資格が必要?」「使わない電線はキャップで覆えば大丈夫?」と疑問を抱く方も多いでしょう。

実は、ケーブル端末処理には電気工事の安全性や機器の寿命を大きく左右する重要なポイントがあります。手順や材料を正しく選び、施工ミスを防ぐことで事故やトラブルの可能性を減らすことができます。


この記事では、低圧・高圧ケーブルの処理方法から、光ケーブルの接続精度、必要な資格や注意点までを具体的に解説します。電気工事に携わる方や現場の施工品質を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。


■端末処理の役割



電気工事で行う「端末処理」とは、ケーブルの先端を安全かつ確実に使える状態に加工する作業を指します。導体(電気を通す金属部分)をむき出しにしたままにすると、感電やショートといった事故の原因になります。そのため端末処理は、安全性と接続の信頼性を確保するために欠かせない工程です。


・末端処理との違い

「端末処理」と「末端処理」は似ていますが、対象や意味が少し異なります。端末処理は、ケーブルを機器や端子台に接続できるように整える加工です。一方で末端処理は、使わない電線や電力ケーブルの終端部分を絶縁テープやキャップで保護する作業を指します。どちらも電気工事では重要で、現場の安全と施工品質を高めるために必要とされます。


・絶縁が必要な理由

電気が流れる導体が空気や他の金属と接触すると、漏電や火災が発生する危険があります。そのため、絶縁体や絶縁テープを使い、導体部分を確実に覆うことが求められます。特に屋外や工場など塩害・汚損が起こりやすい環境では、端末処理を適切に行うことで機器の寿命を延ばし、トラブル発生の可能性を大幅に減らせます。


・使わない配線の処理

リフォームや設備更新の現場では「使わない配線」が残ることがあります。そのまま放置すると誤接続や感電のリスクがあるため、キャップで絶縁したり、規格に沿って端子処理する必要があります。こうした処理は一見地味ですが、後々の安全と施工品質を左右する大切な部分です。


■低圧ケーブルの処理方法



住宅や事務所などの屋内配線でよく使われるのが低圧ケーブルです。低圧といっても100Vや200Vといった電力が流れるため、適切な端末処理を行わないと火災や感電といった事故につながる危険があります。ここでは、現場で一般的に行われている方法と材料について整理します。


・端末処理のやり方

低圧ケーブルの端末処理は、大きく「絶縁体の剥離」「導体の整形」「端子の取り付け」の流れで進みます。まず工具でケーブルの外装や絶縁体を規定の長さだけ剥き、導体を傷つけないよう整えます。次に圧着端子を専用工具で取り付け、電気機器や配電盤に確実に接続できるように加工します。この手順を正しく行うことで、接触不良や発熱といったトラブルを防ぐことが可能になります。


・キャップの使い方

使わない電線や端子部分は、キャップを装着して絶縁することが必要です。キャップはサイズや材質が複数あり、屋外や湿気の多い場所では耐候性のある製品を選ぶのが安全です。キャップをきちんと取り付けることで、誤接触による感電や漏電を防止し、施工後のトラブルを回避できます。見えにくい部分の処理こそ、電気工事士の経験や技術力が求められるポイントです。


■高圧ケーブルの処理手順



高圧ケーブルは、工場やビルのキュービクル(高圧受電設備)などで使われる電力ケーブルです。6.6kVといった高電圧が流れるため、低圧に比べて端末処理の難易度が高く、わずかな施工ミスでも絶縁不良や事故を引き起こす可能性があります。そのため、使用する材料や工具、そして資格を持つ技術者による確実な対応が不可欠です。


・使う材料と工具

高圧ケーブルの端末処理では、架橋ポリエチレン(XLPE)絶縁体を適切に加工し、専用の端末処理材を用いて仕上げます。主に「収縮チューブ」「モールド型材料」「絶縁テープ」などが使用され、現場環境(屋内・屋外・塩害地域など)によって選定が異なります。また、導体を傷めないように剥離できる専用工具や、正確な圧着が可能な圧着工具も必要です。材料や工具の選択と使用方法は、規格やメーカーの施工手順書に従うことが求められます。


・必要な資格

高圧ケーブルの端末処理は、誰でも行える作業ではありません。電気工事士の資格に加えて、メーカーや団体が実施する講習や技能認定を受講し、端末処理に必要な知識と技能を身につけた技術者だけが施工できます。特別高圧(22kV以上)ではさらに高度な技能と資格が必要となり、現場での経験や技術力も重要です。資格を持たない人が作業すると、重大な事故や法令違反につながるため注意が必要です。


■光ケーブルの処理工程



光ケーブルは、電気ではなく光信号を使って情報を伝える通信ケーブルです。電力ケーブルとは違い、導体ではなく光ファイバーを扱うため、端末処理の方法も大きく異なります。施工ではミクロン単位の精度が求められるため、電気工事士や通信工事の技術者でも特別な知識と技能が必要となります。


・取り扱いの注意点

光ファイバーは髪の毛より細いガラス繊維でできており、折れやすく非常に繊細です。作業中に強く曲げたり汚れが付着したりすると、信号が減衰して通信障害を引き起こす可能性があります。また、切断面は鋭利で目に入ると危険なため、保護メガネを着用するなど安全面への配慮も欠かせません。作業環境を清潔に保つことも重要なポイントです。


・接続精度の確保

光ケーブルの端末処理では、光ファイバーの切断面を正確に加工し、融着接続機などの専用工具で端子や他のファイバーと接続します。接続部のズレや汚損があると光がうまく通らず、通信速度低下や信号断の原因になります。そのため、専用の検査装置で損失を確認し、基準値内に収まっているかをチェックします。精度を確保することで、屋内外のネットワーク施工が安定して機能するのです。


■安全に処理するために



ケーブル端末処理は、作業の正確さだけでなく安全性の確保も重要です。端末部分は電気が集中しやすく、絶縁や接続が不完全だと事故につながる可能性があります。そのため現場では、工具や材料の管理、施工手順の徹底が欠かせません。


・工具の管理

端末処理に使う工具は、圧着工具や剥離工具、絶縁テープなど多岐にわたります。これらが劣化したまま使われると、導体を傷つけたり締め付けが不十分になったりする原因となります。定期的に点検・整備を行い、規格に合った工具を使用することで、施工品質と安全を確保できます。特に高圧ケーブルの作業では、工具の精度が事故防止に直結します。


・施工ミス防止

端末処理で多いトラブルは、絶縁体の剥ぎ取り不足や導体の加工不良です。こうした問題は、通電後の発熱や絶縁抵抗低下を引き起こし、重大な事故の原因となります。施工前に手順を確認し、作業後には絶縁抵抗計を用いた検査を行うことが推奨されます。また、現場では作業者同士が声をかけ合い、段階ごとのチェックを徹底することで、ヒューマンエラーを防ぐことができます。


■まとめ



ケーブル端末処理は、低圧から高圧、光ケーブルに至るまで、電気や通信を安全かつ安定して利用するために不可欠な作業です。正しい手順を踏み、適切な材料や工具を用い、資格を持つ技術者が施工することで、事故を防ぎ設備の寿命を延ばすことができます。見えない部分の処理こそ、現場の信頼性を支える大切な仕事です。


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株式会社村上電気工業所は、愛媛県西条市を拠点に、住宅やビル、工場など幅広い現場で電気工事を手掛け、地域の安全で快適な暮らしを支え続けています。ケーブルの端末処理や高圧・光ケーブルの施工など専門性の高い作業にも対応しており、長年培った技術力と経験が当社の強みです。


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